「SMOOSI」とは?
この言葉は、
“Slow Moving, Obslolete, or Out of Standard Item”
の略語です。「スムージ」と読みます(人によっては「スムージー」のようです)。
つまり、棚卸資産(在庫)のうち、
Slow Moving(長期滞留)
Obsolete(陳腐化)
Out of Standard(標準規格外)
のいずれかにあてはまる在庫のことを言います。
在庫評価を検討するにあたって重要
在庫金額は「単価×数量」によって計算されます。
したがって、決算における在庫金額の適正性・正確性は、「単価」と「数量」の両面から確認することになります。
数量は実地棚卸や会計データ等によって確認できますし、単価は購入時の証憑(請求書、領収書等)によって確認可能です。
しかし、期末時における在庫の評価が妥当かどうかは、これだけでは確認できません。
そのため、決算時には(年度末のみならず、期中でも適宜)この「SMOOSI」がないかどうかを確認します。
例えば、在庫リストの「最終仕入日」や「最終払出日」が、かなり前の日付のものがある場合や、実地棚卸の時に動きが少なそうなもの(ホコリをかぶっている、倉庫の隅に置かれていて入出庫がほとんどなさそう等々)があれば、その在庫の評価は取得価額(買った当時の金額)のままでよいのかどうかを検討することになります。
具体的には、
「今後売れる見込みがあるのか?売れるとして、いくらぐらいで売れそうか?」
という点を確認することになります。
売れる見込みがない、または不明な場合や、売ることはできても原価割れ販売するしかないような状況であれば、会計上は在庫評価の切り下げが必要ということになります。
(※税務上も損金にできるかどうかはケースバイケースなので、税務上の取扱いは顧問税理士とその都度確認する必要があります。)
在庫管理において重要
SMOOSIのタイムリーな把握は、「評価は妥当か?」だけでなく「その在庫をどうするか?」という点でも重要になります。
「評価をどうするか」は決算上の問題となりますが、その在庫を早期に販売しないと、会社にとっては販売の機会損失や、余計な保管費用等のコストを結果的に多く負担することになります。
そのため、「その在庫をどうするか?」は、期中においても重要です。
例えば、「定価10,000円(税抜)の商品が、今なら8,000円(税抜)まで値引きすれば売れそうだけど、あと半年経ったら全然売れなくなる」というケースもありうると思います。
在庫をタイムリーに販売する手段としても、SMOOSIの把握は重要と言えます。
「SMOOSI」であるか否かの判断基準はさまざま
「SMOOSI」に該当するかどうかの判断基準は、会社で取り扱っている製品・商品の種類・性質によってさまざまです。
同業種の会社間でも、統一された基準というのは特にないでしょう。
社内で一定の基準を設定して運用するほかありません。
いずれにしても「SMOOSI」という言葉と意味を覚えておくことで、在庫管理上注意しなければならないポイントを押さえることができます。
実地棚卸時に「SMOOSIがあるかどうか?」もチェックポイントの一つとすれば、より意義のある実地棚卸となるでしょう。