前回とは逆のパターンになりますが、売上増加のために値下げを考えることもあるかと思います。
価格を下げれば買う人や数量が増えて、結果的に売上高の増加が期待できるためです。
ただし、売上高の増加が期待できる場合であっても、利益も増加するかどうかは別の話となりますので注意が必要です。
値下げとは販売価格を下げること
簡単な数字例で示します。
従来の販売価格:100
従来の売上数量:100
従来の原価(単価):60
この場合、
売上高 = 販売価格100 × 売上数量100 = 10,000
粗利益 = (販売価格100 - 原価60) × 売上数量100 = 4,000
となります。
ここで、販売価格を90に下げた結果、売上数量が140となった場合は
売上高 = 販売価格90 × 売上数量140 = 12,600
粗利益 = (販売価格90 - 原価60) × 売上数量140 = 4,200
となり、売上も利益も増える結果となります。
次に、販売価格を90に下げた結果、売上数量が125だった場合は
売上高 = 販売価格90 × 売上数量125 = 11,250
粗利益 = (販売価格90 - 原価60) × 売上数量125 = 3,750
となります。売上は増えても利益は下がる結果となります。
さらに、販売価格を90に下げた結果、売上数量が110だった場合は
売上高 = 販売価格90 × 売上数量110 = 9,900
粗利益 = (販売価格90 - 原価60) × 売上数量110 = 3,300
となり、売上も利益も下がる結果となります。
値下げは
いわゆる値下げは、業種を問わず売上高を増やすための手段としてよく行われますが、
・売上が増えるかどうか
・利益が増えるかどうか
は、値下げした結果としての売上数量次第です。
値下げの場合は、利益にはマイナスの影響となることが多いです。
特に原価率が高い(=粗利率が低い)業種の場合は、値下げの利益へのインパクトは大きいでしょう。
検討にあたっては「売上への影響はどうか?」だけでなく、「利益への影響はどうか?」についても考慮することをおすすめします。