取引における金額(モノやサービスの金額)は、ほとんどが
「単価×数量」
で計算されます。
金額を見て、
「高くないか?」
「安くないか?」
「高いのか安いのかよく分からない」
という場合には、単価と数量に分解して分析するのも一つの方法です。
(サービスの場合、「数量」は「人数」や「日数」、「時間数」等に置き換えます)
そうすると、単価が高い(低い)から高い(安い)のか、それとも数量が多い(少ない)から高い(安い)のかが見えてきます。
初見のモノやサービスの場合には高いか安いかの判断が難しいでしょうけど、複数のモノやサービスの金額を比較したり、継続的に取引しているモノやサービスで値段が変わった場合などには、実際のところどうなのかがより具体的に見えてきます。
サービスの契約更新の交渉時などに、相手先から見積金額を総額で提示され、
「あれ?金額が以前より上がってる?」
と感じた場合には、単価が上がったのか、数量(時間、人数等)が増えたのかを確認することで、そこからより具体的な交渉が進められるでしょう。
そう考えると、金額が変わっていない時にも注意が必要です。
「金額が変わってない。じゃあ大丈夫だ。OK!」
と思っていても、実は「単価が上がって、数量(時間、人数等)が減っている」ということもありえます。
取引金額・契約金額をしっかり確認したい場合には、「単価×数量」に分解して金額を理解することは有用です。
反対に言えば、売る側として売上を増やすためには、単価を上げるか数量を増やすかのいずれかの選択となります。
どちらを選択すべきかはケースバイケースですが、売上増を考える際により具体的な検討ができますので、このシンプルな数式を覚えておくと良いでしょう。
決算書の利益分析においても重要です。
売上の増減や利益の増減について、「単価が上がった(下がった)のか、数量が増えた(減った)のか」を確認することが変動分析のスタートになります。
決算書や試算表に書いてある数字をそのまま見るよりも実態がよく見えますので、「なぜ?」と思う金額の変動は「単価×数量」に分解してみると良いでしょう。