実地棚卸で、すぐに思い浮かぶリスクに
「在庫数量を誤る」
というものが挙げられます。
この「在庫数量を誤る」というリスクを更に分解すると、以下のようなリスクが出てきます。
「カウントを誤る」
「カウント漏れ(カウントし忘れ)が発生する」
「カウントを重複してしまう」
「在庫数量が適切に修正されない」
そして、これらのリスクを防止するコントロール(管理)を考えることで、結果的に「在庫数量を誤る」というリスクを予防することができます。
例えば、「カウントを誤る」というリスクに対しては
数量のカウントを2名1組で実施する。
1人がカウントしたら、もう1名が確認のカウントを行うという方法をとる。
「カウント漏れが発生する」というリスクに対しては(「タグ方式」の場合)
立ち会った担当者または責任者(カウント担当者でない方が望ましい)が、すべての棚卸対象在庫に棚札が貼付されていることを確認する。
棚卸終了後に、カウントした担当者がすべての棚札を、未使用分・書き損じ分含めて回収し、発行した棚札数との一致を確認する。
「カウントが重複してしまう」というリスクに対しては
(「タグ方式」の場合)カウント済商品に貼付する棚札を、見やすい場所に貼るようにする。
(「リスト方式」の場合)リスト上のカウント済商品に対し、チェックマークを付ける等してカウント済であることが分かるようにする。
「在庫数量が実地棚卸数量に適切に修正されない」というリスクに対しては
責任者が帳簿数量と実地棚卸数量の差異の存在を確認し、差異の原因分析および承認を経て、修正を行う仕組みにする。そのうえで、責任者が最後に実地棚卸数量が適切に帳簿上に反映されていることを確認する。
といったコントロールが考えられます。
上記は一例ですが、大きなリスクが考えられる場合は、そのリスクを細分化して、それぞれの細分化したリスクに対応するコントロールを設けることで、結果的に大きなリスクを防止することが出来る場合もあります。