変動費とは売上の増減に連動して増減する費用をいいますが、業種や取扱商品・サービスなどによって変動費となるものの範囲は異なってきます。
ここでは、変動費の代表的なものとして、製造業を想定して材料費と外注費、商品販売業を想定して商品仕入について因数分解してみます。
材料費
材料費は、
材料費 = 単価 × 使用量
に分解できます。
単価は、文字通り単価なのですが、単価を下げる方法としては
・購入ロットの設定によって下げる
・購入単価を交渉によって下げてもらう
・購入先を変える
といったことが考えられます。
一方、材料は製品のもととなるものなので、減らすといっても限定的にはなりますが、
・歩留まりを改善する
・設計・仕様を変える
・製造方法を変える
といったことが考えられます。
いずれも必ずしも容易ではないと思われますが、以上のような視点から材料費を下げられないか検討していくことが考えられます。
外注費
外注費も基本的に「単価 × 取引量」となりますが、取引量の方は「内製化を増やす」ことによって減らすことができます。
単価については、基本的に外注先との交渉となると思われますが、
・適正単価で発注しているか?
・納期にゆとりを持たせることで下げられないか?
・まとめて発注することで下げられないか?
のような視点から交渉の余地を模索することが考えられます。
内製化を増やすことも容易ではないと思われますが、
・工程を改善することによって内製化できる余地はないか?
・顧客に納期交渉をすることで内製化できる余地はないか?
・仕入の納期交渉をすることで内製化できる余地はないか?
といったところから内製化の余地を検討することが考えられます。
商品仕入
商品は、材料費と同じように
商品 = 単価 × 仕入数量
に分解できます。
単価を下げる場合、基本的には仕入先との交渉となりますが、
・適正単価で仕入れているか?
・仕入先をまとめることで単価を下げられないか?
・仕入先を分散させることで単価を下げられないか?
といった視点から交渉の余地を模索することが考えられます。
仕入数量については、少ない方がキャッシュ・フローに好影響なのは確かですが、他方で売上の機会を逸失するリスクがあるので、単純に少なければよいというものではありません。仕入数量の適正化が望まれますので、
・売れ筋商品をタイムリーに仕入れているか?
・売れ残りが発生していないか?
といった視点から適正数量を検討していくことが考えられます。
「変動費を下げる」という一言だけではパッとしにくいですが、以上のように変動費の要素を細分化して削減できる余地がないかを検討してみると活路を見出せるのでは、と考えています。